保護犬の中には、噛む力の加減を学ぶ機会がないまま育ってきた子や、過去のつらい経験から防衛的に噛んでしまう子もいるといわれています。
「甘噛み」程度なら対処法もイメージしやすいですが、「本気噛み」となると不安に感じる方も多いのではないでしょうか。
今回は、噛み癖について分かっていることをまとめてみました。
なぜ噛んでしまうのでしょうか
犬にとって「噛む」という行動は、人のように手を器用に使えない分、ごく自然な行動のひとつとされています。
ただ、その背景にはいくつかの理由が考えられるようです。
- 本能的な欲求:犬は狩猟本能を持つ動物とされ、噛むこと自体が本能のひとつとされています。
- 恐怖やストレス:知らない人に撫でられた、環境が変わった、運動不足、体調不良など、不安を感じているときに、防衛的に噛んでしまうことがあるといわれています。
- 突発的な反応:寝ている犬に急に触れた場合など、驚いた犬が攻撃と誤認して、反射的に噛んでしまうこともあるようです。
- 構ってほしいという欲求:「構ってほしい」「口寂しい」という気持ちを満たせていないと、噛むという形で表れることもあるとされています。
保護犬の場合、これまでの環境で、噛むこと以外のコミュニケーション方法を十分に学べなかった子や、
人への恐怖心から防衛的に噛んでしまう子もいるといわれています。
甘噛みと本気噛みの違い
甘噛みは、多くの場合成長とともに自然と落ち着いていくとされていますが、「構ってほしい」という欲求が満たされないと、問題行動としてエスカレートすることもあるようです。
一方、本気噛みは、犬歯が刺さり出血を伴うケガにつながることもあるとされ、より慎重な対応が求められるようです。
放置してしまうと、飼い主や家族だけでなく、散歩中に出会う人や他の犬にケガをさせてしまう事故につながる恐れもあるといわれています。
本気噛みへの対処で大切な考え方
専門家の間では、本気噛みへの初期対応として、「犬が噛まなくなること」を目指すというより、まず「噛まれない生活を送ること」に焦点を置くことがすすめられているようです。
- 犬の生活空間と家族の動線に、パーテーションなどの障壁を設ける
- リードを装着したままにするなど、着脱の必要性を減らす工夫をする
- 噛みつきが起きやすい状況(食事中、寝ているときに触れるなど)を把握し、あらかじめ避ける
本気噛みの改善はプロでも難しいとされ、見よう見まねのトレーニングを試みると、思わぬケガにつながることもあるようです。
噛まれた後に「どう叱るか」よりも、噛みつきをいかに「発生させないか」という予防的な視点が大切とされています。
こんな場合は専門家への相談を
次のような様子が見られる場合は、一人で対処しようとせず、動物行動学の専門家や、獣医行動診療科など専門的な知見を持つ機関に相談することがすすめられているようです。
- 犬歯が刺さるほどの強い噛みつきがある
- 噛みつきの頻度が増えている、エスカレートしている
- 特定の状況で予測できない噛みつきが起こる
生まれ持った気質によっては、薬物療法の併用が改善のきっかけになることもあるとされているため、専門家と相談しながら、その子に合った対応方法を探っていくのがよさそうです。
まとめ
保護犬の噛み癖、とくに本気噛みは、飼い主一人で抱え込むにはリスクが大きい問題のようです。まずは「噛まれない生活環境」を整えることを優先し、根本的な改善については、早めに専門家に相談することが、犬にとっても飼い主にとっても安全な道につながりそうです。



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